社会基盤整備のための公共投資は、装置型の社会から情報型の社会への
変貌に伴い、向けられる分野が変わるべきである。誰もが認めるコンセンサス
であろう。早くから国土地理院は測量成果を公表し、GISの基盤データを
インターネットで公開している。 http://mapbrowse.gsi.go.jp/dmap/sdf/index.htm 現在閲覧可能なものの一つに空間データ基盤25000がある。世界共通 情報基準に準拠し次世代規格XML仕様であるというアナウンスに、 ダウンロウドとその活用を試みてみた。 |
近年の人口衛星を利用したGPS(Global Positioning System:汎地球測位システム)により、計測精度が飛躍的に向上し、地球の形が正確に測れるようになりました。
日本における測量の基礎となる地球のモデルは1841年に想定されたベッセル楕円体でありました。
これまでの成果を元に、日本の測量基本である準拠楕円体を
GRS80楕円体に修正いたしました。 20世紀から21世紀への節目に合わせ実施された世界測地系である新基準を「測地成果2000」と呼びます。今後の測量はこの新基準により展開されていきます。
数値地図25000(空間データ基盤)は、2002年4月の測量法改正に対応して 2003年2月に世界測地系にすべて改訂されています。 |
「数値地図25000(空間データ基盤)」は従来、一県全市町村を1枚の
CD-ROMに納め販売していたものです。 地理院のページで閲覧ソフトをダウンロードしておく。日本地図 の該当県をクリックすると市町村一覧が開く。対象市に25000、2500の 項目があるので25000をクリックするとダウンロードを開始する。 簡易表示ソフト.jarをダブルクリックでjavaアプレットが開く。始めての場合 はIEのプラグインをダウンロ-ドする。 簡易表示ソフトのタブレットで閲覧市町村を選択指定し「データーイメージの表示」 をクイックすると展開を始める。3分程で展開が終る。右と下のバーで調整 して見たい位置を探す。 メニューバーの「表示設定」で「再描画」をクリックすると地図が現れる。 |
世界標準のXMLにはコンバーターで変換する必要がある。20分程かかるが
新しいデーターセットができる。 |
数値地図25000(空間データ基盤)XML |
XML変換されたデーターが次のように作られていました。
17個のXMLと8個のDTDがあります。DTDはXMLのデータ構造 を規定するファイルです。どのDTDを使うかはXMLの中に記載 されているはずです。 |
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空間基盤の調査項目は10項目でず。
ファイルと調査項目の関連を調べてみます。 例えば、23220GK.xmlを「メモ帳」で開いてみます。ファイルサイズが大きいので「ワードパット」が自動的に開きます。以下のようです。titleタグに[行政界]とあります。23220GK.xmlは[行政界]データでした。 同じようにして対応を確認できます。 |
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データ項目 | データファイル(2330**) |
道路 | [道路区間]DK、 [道路節点]DS、[橋]HA、 [トンネル]TO、雪覆い[YO] |
鉄道 | [鉄道区間]TK、 [鉄道節点]TS 、 [駅]EK |
河川 | [河川区間]KK,[河川節点]KS |
水涯線 | [水域界]SK |
海岸線 | 位置 |
行政界 | [行政界] GK |
基準点 | [基準点]KJ |
地名 | [地名]CM |
公共施設 | [公共施設]KO、 [行政代表]GD |
標高 | [メッシュ標高]MH |
空間基盤の調査項目がどのファイルに入っているか分りました。XMLファイルはブラウザIE5以上で読めます。その方が軽快に見れます。 最近XMLという用語はよく見かけますが、今一つ具体的ではありませんでした。でも、身近な地図データがXMLなら、慣れ親しんだIEで見られるのですから読んで見ましょう。 最初の「XML宣言文」で、これはXML文書だとわかります。GIをルートタグ要素とするデーター本体が定義されています。大まかな要素のブロックを見てみましょう。 |
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exchangeMetadataは、このデーターの検索用カタログ情報(Japan Metadata Profile; JMP)です。次ぎに、最後まで1ブロックのdatasetと
いう要素です。 datasetの頭にdataset25000という見出しがあります。 これにつづき、 GyoseiKaiというブロックが沢山並びます。ここには 点データーがありlinearとありますから折れ線ということでしょう。 dataset25000の中にJD2000とありますから「測地成果2000」とわかります。 世界測地系BLと確認できます。 ツリー構造のXMLですから読みやすい。TEXTファイルという ことも、ブラウザで読めることも便利だと思います。 データーの規則性は処理プログラムには重要です。この文書の規則、 構造(スキーム)を定義しているのがDTDです。ファイルの頭にkukandata.dtdと 指定してあります。他のファイルもしらべましたが同じパターンでした。 細かい事はさておき、「メモ帳」ですべてが処理できるHTMLとXMLは兄弟。ブラウザで閲覧できる。インターネットのコンテンツがHTMLなのだが、技術計算のデータとして同じ手法が使える。これは絶賛に値する。やってみるしかありませんね。 さて、今回の目標は、このデーターをAutoCADLTにインポートして DWFで眺めてみるとします。概略の手続きを上げてみましょう。
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