尾西市歴史民俗資料館

尾西市起字下町211 tel0586-62-9711


起宿脇本陣の敷地内に歴史民俗資料館がある。

通りに面した駐車場奥の2階建がそれである。

通路を挟んで、脇本陣の裏庭。


堤防下の竹垣、脇には待合い。
小粋な庭園である。




どこか辻にあった道標だろうか。




資料館のロビ−には季節がらこの地で作られた土雛人形が展示してあった。

ビデオコ−ナ−では美濃路の各宿場の記録が見れる。
この資料館は美濃路の情報発信基地を目指している。

新聞紙面でよく特別企画展示の案内を見た。
その時の資料が御自由にお持ち下さいと置いてあった。
平成12年度「郷土の絵図.地図」
僕はこれを拝見に来たかったが、今日入手できた。感謝。
もうひとつ
平成8年度「伊吹おろし」
これは、この地に生きる人でなくては企画できないもの。
風土というか、その地方の風を発信できるのは、その土地の人しかないと思う。
「切干し大根」と「伊吹おろし」。うまくまとめてある。
今後も、優れた企画を期待いたします。


1階は河湊の商家、渡しの屋形や舟橋が展示されている。
2階は機織りや農家の生活が展示されている。
入館無料。開館9時より4時半まで。月曜日休館。
ぜひ一度訪問おすすめします。



起の湊に集まった商品は問屋を経て周辺の村々に売られ、
また近在の商品はこの湊から全国に売られた。
弘化2年(1845)の「人別改帳」によれば、
旅篭、木賃宿、茶屋が14軒。小間物、瀬戸物、穀物、材木等の商家39軒。

明治になり、木曽川水運は鉄道に移行していくが、
上流からの材木、新炭、下流からの肥料を扱う買継ぎ問屋の商業活動は、
昭和初期まで活発であったという。

18世紀頃からの桟留縞、寛大寺縞等の尾張縞の伝統の上に、
明治期、この地は日本最大の毛織物産地となった。
それは戦後の高度成長期に頂点に達する。

今、この地は新たな方向を模索している。
水運から鉄道。軽工業から重工業と時代の波に抗することは難しい。
だが、かってこの地が一番輝いたのは何故なのか。
その輝きが、この地に残したものは何だったか。
この変革の時期、考えてみることは意味のあることだろう。

この集落の北の外れに1000年以上の歴史のある古社がある。
僕はそこまで辿り、この旅を終えた。


2001.4.1
by Kon