参道の四季


はだか祭りが終わり、梅が咲き終わると桜である。

1999年春

参道脇の桜並木で毎年「稲沢桜祭り」が行われる。

2000年4月6日

 四月の第一週が恒例の桜祭りであるが、年によっては、花が間に合わないこともある。 日本の四季は、旧暦で考えると、なる程と思えることがある。


桜の季節は、ほんのわずか。

楼門脇に鯉のぼり。

5月5日には町内の子供会が
のぼりを持って集まる。

2000年5月5日

参道に子供達の声が弾む。


翌日5月6日は、梅酒盛神事でる。

 夜儺追神事の行われた政所跡には、梅の木が一本ある。梅酒盛神事は、祭神、尾張大国霊神の出現をお祈りする神代神事。儺追神事より古いものとも言われる。祭神の身代わりである神代は七歳前後の少童が努める。少童巡行のため、森には白馬が繋がれる。

 梅酒盛神事の後、午後からはこの地方で盛んな馬之塔が行われる。僕の子供の頃は、村から飾馬に従いこの宮まで来た。いまは、その馬もいない時代である。

5月の風を斬って、数頭の馬が参道を駆け抜けて祭りが終わる。



宮の北には神田がある。6月には御田植祭

早乙女が拝殿で舞う。

早乙女は、拝殿の舞いと同じしぐさで 苗を植える。舞いは芸能に昇華されたけれど、 具体的な生産の形の伝承の意味を持つ。僕は、祭りに残されたその形に興味が向く。




僕の町もすっかり都会化したが

こんな風景もあります。



「イチョウ通り」がすっかり色付く頃
参道では稲沢商工祭りが行われる。

僕の町は全国規模の植木生産地。
参道には植木市が立つ。

この地方では、木枯らしを
「伊吹下ろし」と呼ぶ。

イチョウが北風で一つづつ坊主になって
一年が暮れる。

by Kon