儺追殿
2001年 2月5日月曜日(旧暦1月13日)
儺追殿前の広場で最後のもみ合いが始まる。
渦の足取りは重い。
もう6時に近い、夕闇が迫る。
楼門脇の桟敷からは望遠撮影が困難となりだす。
群から仲間が一人引き上げて来た。
今年も神男に触れた。
僕はビデオを渡した。
すっかり日が落ちた。
もう6時に近い、夕闇が迫る。
神男を引き上げる儺追殿脇の入り口だけが明かりに浮かぶ。
庇の先から放水の水の幕が出来る。
渦はやっとその下に辿りつく。
入り口の明かりの中から
神守りが飛び出す。
男達の頭上を泳ぐ。
腰に巻かれた命綱が延びて行く。
真っ白な命綱がまるで生き物のようだ。
神男は抱えられ、
明かりの中に救い上げられた。
バンザ−イ、バンザイ。
バンザ−イ、バンザイ。
夕闇近い広場にこだまする。
両脇を抱えられた神男がこちらを向く。
そして
光の彼方に消えていった。
今年の「はだか祭り」の終わりである。
参道に神男が出たのが5時。
尾張平野に春を呼ぶ国府宮儺追神事の花
「はだか祭り」
一時間のドラマであった。
この日参道を駆け抜けた男達の数
1万500人。
2001.2.5
by Kon