Kyohei君の質問
2001年10月10日


ジェンダー

 こんにちわ。ぼくは小学校6年のKyoheiです。 いま僕達は総合的な学習時間にジェンダーの勉強をしています。 ジェンダーとは文化的社会的に作られた男だから女だからという意識のことです。 その中で僕はお祭りの行事をおこなうときに男女の差別があるかをテーマに調べてい ます。
次のことについて教えてください。
1.お祭りをおこなうときに「女はできない」というものがありますか。
  そのわけも教えてください。
2.昔はあったがいまはない、というものはありますか。
  そのわけも教えてください。
3.その他、男女の役割の違いなどがあったら教えてください。

よろしくお願いします。

2001年 10月 10日 Wednesday 17:00


1200年前の風習

 こんばんは、Kyoheiさん。

僕は愛知県稲沢市に住んでいます。 天下の奇祭といわれる”国府宮のはだか祭”を発信しています。
この祭は1200年前から続いていまして 古い日本の伝統を今に伝えています。 祭はそんな歴史を知ることができます。 とても大切なものだと思っていますよ。

> 1.お祭りをおこなうときに「女はできない」というものがありますか。
>   そのわけも教えてください。

 日本には災難を洗い流すとか、おひな様の時に飾った桃の花 を川に流して一年の災難を流してしまうという風習があります。 日本の祭には、大抵この要素があります。 ”国府宮のはだか祭”は一人の男に皆が触ってその人に 災難を渡す。その男は餅に難を封じこめて土にうめます。 伝統的に男達が行います。女は参加できません。

 災難は”けがれ”を持っているものから広がるという考え があります。Kyoheiさんは保健の時間に女性の生理を 勉強したとおもいますので説明しますね。
女性はお産の時大変ですし、血をながします。 月に一度の生理というのもあります。 昔は血を流すのは”けがれ”と考えた時代が長くありました。 その伝統で女性は祭に参加できません。
 他の祭でも、祭を行う男達は、祭の前のある時期 男達だけで食事を作って暮らし、女性とは一緒に 暮らさない風習もあります。その年に死者の出た 家族の男は参加できないという風習もあります。 その年にお産があった家族の男も参加できない 風習もあります。

 西欧流の社会になった今では、なんだか変ですね。 でも、つい60年ほど前まではこの風習は日本では 普通だったんですよ。

> 2.昔はあったがいまはない、というものはありますか。
>   そのわけも教えてください。

 たとえば、東京の三社祭という有名な御輿があります。 これも、昔は男だけが参加していました。でも今は 元気な女性も参加します。祭は、はなやかでなくてはいけませんね。 それに、男と女は同権なんですから。だから今は女も参加します。

 でも”国府宮のはだか祭”は女性はちょっと無理ですね。 この祭は、これからも、ずっと男だけの参加する祭です。 でもね、参加できない女性達の布を付けた笹を持って 男達は参加します。祭のことをよく調べてみると ちゃんと参加できない人のことも考えてあることを 発見できますよ。

> 3.その他、男女の役割の違いなどがあったら教えてください。

 祭には、ちいさな子供が主役というのがあります。 稚児(ちご)といいます。子供は神に近いものという考え が日本にはあります。ですから子供が主役となります。 ”国府宮の馬祭”がそうです。
”国府宮の御田植祭”は女の子しか参加できません。 この場合の女の子は早乙女(さおとめ)といいます。 このかたちの祭は日本全国にあります。

 つい60年ほど前は農業が日本の主要産業でした。 そんな生活の中で祭が行われてきたのです。
祭を通じて、日本の昔の伝統を知ることができますよ。 Kyoheiさんの町にも古い祭があったら調べてみてくださいね。

では

Kon

2001年 10月 10日 Wednesday 22:00


ありがとうございました。

 こんばんは、Kyoheiです。
ぼくの突然の質問に答えていただきありがとうございました。ご意見を参考にさせて いただき、ジェンダーについて もっと調べていきたいと思います。ありがとうございました。

 はじめまして。Kyoheiの母です。
子供からのメールに丁寧に答えていただきありがとうございました。 ジェンダーについて子供達はいろんな視点から調べています。 テーマの「お祭りの行事を行うときに男女の差別があるか」 だけでなく、「家事の中心は誰」「もし戦争が起こるとしたら女もいくべきか」 など、子供達がそれぞれ考えたテーマについていろんな方法で調べています。
  今回、Kyoheiはいろんなホームページを見て、いろんな方にメールを送りました。 12歳の子供の質問に答えてくださったことに、親子で感激しています。

本当にありがとうございました。

2001年 10月 13日 Saturday 8:43


お役に立てて、うれしいです。

 こんばんは、Kyoheiさん。
最近、ジェンダーという言葉はよく見かけましたが、 はっきりした意味は知りませんでした。 Kyoheiさんのメ−ルでその意味がわかりました。
僕は近くの町の祭を拝見してインタ−ネットで 皆さんに紹介しています。 それぞれの町にそれぞれの祭があることは、 とてもすばらしい事だと思えてきました。 祭を通して昔のことを調べていると ジェンダーは長い歴史のなかで作り上げ られたことを深く感じております。 お役に立てて、うれしいですよ。
 僕もある時、ふと、”コロンブス新大陸発見” に疑問を持ちました。 コロンブスの前にアメリカ大陸には インデアンがずっと住んでいたはずです。 そんな素朴な疑問はとても大切ですよね。 そこから色んなことが分かってきます。 疑問はすぐ解決しないことが多い のですが、時間がくると分かってくる こともあります。疑問は大切にして下さい。 そしてKyoheiさんが自分で真実だと思える 答を見つける旅を、これからずっと続けてください。

 お母さん、始めまして。
最近インタ−ネットも家庭で利用できる料金に なって来まして、これから利用が増えるとおもいます。 アメリカの図書館は冷戦時代、共産主義の本を 公開しないようにという圧力にも毅然としてNOと 言いました。すべての情報を公平に公開することを 基本精神としています。 その米国の図書館もインタ−ネット上の有害情報 をどうするか、試行錯誤を繰り返しております。
 お子さんがインタ−ネットを利用されるについては そんな心配もお有りかもしれません。しかし、 インタ−ネットの力はそれを上回るメリットが あることも理解できます。結局は個人が情報の 価値を見分けられるセンスを研いて行く事が 解決策なのでしょう。Kyoheiさんといっしょに 21世紀のインタ−ネットの世界でご活躍ください。

では

Kon
2001年 10月 14日 Sunday 0:29