みちのくの裸祭り written by Turbo

   俗に「日本の3大祭り」等、日本人は物事に順位をつけたがる傾向があり、

  国府宮のなおい神事は俗に「日本の3大奇祭」もしくは「日本の3大はだか祭」

  の一つとも言われ、岩手の黒石寺、愛知の国府宮、岡山の西大寺が代表的な祭

  である。

  私はこの3大祭どれも参加したことがあるが、「裸男と炎のまつり」岩手県

  水沢市黒石寺蘇民祭について先日参加してきたので体験談を紹介します。

 

    黒石寺蘇民祭は、千年の歴史を持つ祭で、発祥当初からの原型を現在まで伝承

  している数少ない祭で、一般的には真っ裸で参加できる祭として有名です。

 現在は真っ裸で参加する人は少なくなりましたが、明治以前は参加する男たちは

  全員真っ裸で参加していたとの記録があります。 真っ裸で参加するようになった

  由来は「備後風土記」に記録があり、蘇民袋争奪の際、一人の檀徒が蘇民袋を奪わ

  れまいと腹に抱える格好となった際、それを奪おうと他の男たちは力任せに袋の端

  と褌の端を引っ張ったため下腹部が裂けて死んでしまったため、危険防止のため真

  っ裸になったと記されています。

  祭の進行は、午後10時からの裸参り(夏参り)に始まる水垢離、午前〇時の

  柴燈木登(ひたきのぼり)では生木を井桁状に積み上げられ、火を焚きつけられた

  上に上り、気勢や山内節を歌う行事、その後別当登、鬼子登のあと、午前4時に蘇

  民袋(小間木が詰められた麻袋)争奪戦と多岐にわたって行事が行われます。

 現在は、地元の人で真っ裸で参加する人は少なくなり、大半が六尺褌を着用してお

  りますが、全国から祭を愛する人たちの協力で古代の原型で参加者は続いています。

 残念ながら、祭の形態が非常に特殊であるため、裸を見るのが目的で訪れる見学者

  が年々増加し、「ホモ」の祭と誤認される風潮が非常に残念ですが日本に数少ない

  貴重な祭です。私自身はさすがに真っ裸で参加する勇気はありませんでしたが、

  一度参加するとその魅力にとりつかれる人も多いようです。  

                                                           2000.2.11