2月17日
儺負殿
渦の湯煙が楼門に近ずく
そして
楼門をくぐる
拝殿の先で神官か鈴のついた榊をゆする。
守りたまえ、守りたまえ。
儺負殿の前の男達も身構える。
手桶衆も現れる。
最後のもみ合いだ。
渦が柵に押し付けられる。
もみ合いの中がのぞく。
儺負殿正面脇のにじり口では
手綱を腰に巻いた神守りが
飛び込む準備をする。
みんながその手綱を握る。
だめだ!だめだ!
2回
だめだ!
3回
よし!上がった!上がった
神男は寝所に寝かされる。
無事であった。
神守りが引き上げてくる。
宮半纏の男が
こぶしで涙をふく。
よかった、よかった。
神男が参道に出たのが4時半。
5時半には儺負殿に納まる。
7200もの裸男が参道を駆け抜け
16万の参拝者を惹きつけた
この神事の花
「はだか祭り」のドラマが終わった。
男達は家路に急ぐ。
頭から被った水は
季節の風と共に容赦なしである。
腕を組み
背を丸め
小走りである。
2000.2.17
by Kon