”イチョウ通り”西物語

愛知県稲沢市高御堂一丁目から小沢三丁目

JR稲沢駅からまっすぐ西に市道”中大通り”が走る。

国府宮の鳥居前を過ぎ、名鉄の踏み切りを越すと
国府宮駅前の信号交差点である。

毎年旧暦1月13日は”国府宮はだか祭り”

1999.2.17

”中大通り”は、裸男の花道となる。

踏切りの電車の通過で裸男達は足止めを食らう。

男たちは、太く束ねた笹を勢いよく空に掲げ気勢を上げる。



僕の事務所がこのビルの向かいにある

”中大通り”は通称「イチョウ通り」と呼ぶ。

道路を挟んだス−パ−横の3本のイチョウを毎日眺める。

真ん中の木の根元にはス−パ−のおばさんが
花を育てている。祭りが終われば春である。

桜が散る頃にはイチョウの木も青く芽吹く。

初夏にかけ、日に日に緑の勢いは増してゆく。







11月に入ると、木枯らしが吹き始める。

この地方では”伊吹おろし”と呼ぶ。

冬型の気圧配置が強まれば

養老山脈と伊吹山の間から日本海の風が吹き出す。

思いのほか風は強い。

毎日眺める3本のイチョウも葉を落とす。

風の翌日には丸坊主になるのだが

西の木がまずそうなる。

次の風の日は、真ん中の木。

最後、踏み切りの横の木が丸坊主になると

すっかり冬である。

毎年そうなんだが、木にも個性はあるのだなと思う。



小沢三丁目西交差点。

ここから旧市街地にはいり、一方通行となる。

踏み切りからここまで、北の歩道に43本、
南の歩道に38本のイチョウがある。

すっかり丸坊主になった"イチョウ通り"は

電柱の林立する風景となる。

無色となった風景に、1本だけ色が残る。

年も押し詰まった日までそうであった。

北側の歩道の小沢三丁目西交差点から9本目の木。

小沢のバス停前の光景である。

やっぱり木にも個性があると思う



今年は25年ふりの大雪でした。
(2000.2.17)
その中、祭礼は無事おわりました。

また桜が咲き、雨に散り、

そしてまた

この町の一年。

こうして、ぼくの町は時を重ねて行きます。





信号手前、南側の歩道に面し

花清さんがある。

「..わたしのお母さんは、時々店先で

いねむりをします。おとうさんが

そろばんで、コツンとします。.」

小学5年の時のたか子さんの作文です。

たかちゃんはぼくの同級生。

花清 tel 0587-32-0542

通勤の朝、店先に立つ娘さんを見かけ

すぐわかりました。たかちゃんそっくりですから。





ぼくは、毎年春先ここで赤いバラを買う。

妻の誕生日の日です。

「娘さんお店てつだってんの?」

「そう。...知ってる?山田君

自分でログハウス作ったのよ。」




こうして、ぼくの町は時を重ねて行きます。


尾張国はだか祭り
http://akon.sakura.ne.jp/naoi/

2000.8.3..by Kon




山田君のログハウス(2002.8.4)


小沢自転車商会横の桜(2003.3.31)