4月17日の村松氏への質問とその回答

 

 



1.儺追人(神男)に応募した動機とその時期

勤め先の○○工業の社長からおまえ出ろといわれて。3年前の玉腰さん、20年前の現鉄鉾会隊長の日置さんと村松氏は3人目。社長は鉄鉾会の会員ではないが、鉄鉾会の幹部に顔がきくので。村松氏は昨年、2番くじを引いてからいつかは自分にまわってくると覚悟していた。


2.儺追人(神男)の選考方法

鉄鉾会から推薦されて、なおい神事の10日程前にくじ引きで決まる。村松氏自身去年は2番手(1番手は丹羽さん)のくじで、今年は1番手を引いた。おととしの神男の岩田さんが2番くじを引いた翌年に1番くじを引いた。2番くじを引いても70%の人はくじに当たったことを喜んでそれだけで辞めてしまう者もいる。なかには裸男にもなったことのない神男候補もいて、かえってあのような渦の中の状況を知らなくて、恐怖心がないのがよいのかもしれない。
 

3. 選考後に行われる儺追神事前の儀式の内容とそのスケジュール

おこもりが3日3晩つづく。拝殿にはいろんな人間が顔を出す。なんらかの厄を背負うのか、神男の前で涙ぐむ者もあり、その人たちの厄を代わりに背負うのかと思うと身が引き締まる。
 

4. 鉄鉾会の人数やしきたりについて(つきあい方、年間行事など)

20名ぐらい。一緒に旅行に行ったり、時々集まって会合を開いたり。みんな酒がめっぽう強い人ばかりで、ハンパじゃない。会長は75歳だが、どう見ても50歳代にしか見えない。61歳まで裸で出ていたという。還暦すぎても赤褌はつけなかったそうだ。鉄鉾会員にはバッジがもらえる。一生の宝物、勲章であり、鉄鉾会とは一生のつきあいになる。祭りが大好きで、年に1度の祭りの為に仕事をしているようなものだ。
 

5. 拝殿を退いたあと、渦に飛び込むまでの方法や水取り場まで移動する方法は?

すべて秘密(理由:神男の命に関わることなので掲載できません。)
 

6. 突入する時は全裸か廻し姿か?影武者の存在?

前述のとおり、秘密のベールです。影武者はいない。裸男の中には丸坊主がいるのでそれと間違えるのではないか。
 

7. 楼門からなおい殿までの行程(前歯を折った!かなり朦朧としていた!)の感想は?

楼門入口で何回も押し返され4〜5回ころんだ。隊長のまわしを掴んで、ずっと低い姿勢で沈んでいたが、一度は立ち上がった。ころんだ時は神守りのまわしに助けられた。今年は桶隊の水が渦の中心まで届かず、楼門へ入る道筋ができずにいた。なおい殿まで1時間半ぐらいかかったか。楼門の中にもまた人がうじゃうじゃいて、普段なら桶隊の水掛けでなおい殿への道が開けるのだが今年はかなり苦労した。前歯は一本折った。(今はさし歯をしている。)なおい殿に上がって、バタンと蒲団に倒れたところをTVに撮られた。
 

8. 夜儺追神事の内容とそのスケジュール

翌朝2〜3時に叩き起こされ、土餅を背負わされ、小餅をよってたかってぶつけられる。3回境内を巡回して土餅を地面に埋める。厄を代わりに背負ってやっているのにこんな仕打ちを受けるのかと一番腹立たしかった。
 

9. 祭り終了後、桜が散る頃までの行事とは何か?

祭りが終わったあと、連日のように45ケ所のご苦労さん会があってそれにつきあわないといけない。隊長から今日行くぞと突然電話がかかってきて、絶対服従なので仕事にならない。遠方ではつとまらないだろう。村松氏は長野県出身で今年はじめて県外出身の人間が神男になった。しかし、職場が稲沢市に近い一宮市であるのでなんとかつとまっている。神男になるためにはこの近くで住まないと無理だろう。
 

10. 来年からの行動は?

一生、身体のつづく限り、神守りとして、命がけで渦の中へ入る。国府宮同友会の皆さんには来年こそはおこもりから見学されてはどうか。隊長に話してあげる。渦を撮影したいという近藤氏の希望に、桟敷席は神男の家族とか関係者のみであるので難しい。

遠くからなおい笹奉納につきたいという私の希望に、神社から2km先の町内から出られるように世話してあげる。(ただし、5,000円程度祝儀をはずむこと。)
 

11.マスコミの攻勢はどうだったか?

マスコミ攻勢は激しい。一時、まつきちさんの申し出も(マスコミ関係と)疑ったが、手紙を鉄鉾会隊長にも見てもらい、まっ、マスコミ関係ではないのではないかと判断して、その後、電話も受けたので会うことにした。正直、こうしてなおい神事の全国のファンが増えることがうれしい。例年は、9,000人前後だが、今年は9,800人も集まった。




当日欠席されたturbo氏からのご質問


 



1. 神男の立候補の条件があると言う話ですがどんな条件があるのか?

よく金がいると謂われるが一切お金はかからない。
 

2. 村松さんは妻帯者かつ息子(5歳)がいるようですが、禁止条件では無いのですね。

厄年(25歳)が条件ではない。裸男が厄落としとしてこだわるもので、逆に厄を背負い込む神男には年令制限などない。過去47歳の人が神男になったことがあり、鉄鉾会が認めれば問題なし。独身とは限らない。
 

3. OBの推薦が必要と聞きましたが本当ですか。

必要である。推薦された4〜5人の中から一人がくじ引きで決まる。
 

4. 神男になると仕事を休まなければならないと思いますが、何日休みましたか?

10日ほど前にくじ引き、3日3晩おこもり、今年は土・日がかかったので休んだのは4日位か。
 

5. 裸男にもみくちゃにされたとき何度失神しましたか?

失神はしなかった。途中、裸男のエルボーがのどに入り、首締め同様となり、一瞬家族のことを考えた。不幸を許せと。そう思った瞬間、すかっと抜けた。神の存在を思い知った。最後になって失禁した。(シッコがピュ〜と飛んで、鼻からドバーッと水が出た。)
 

6. また気付けをするためキンタマをOBに握られるって本当ですか?

ルックルックの作り話だ。デマである。急所は引っ張られるは、あちこち蹴飛ばされるは(サッカーボールのように)素足なので足の感覚がない。凍傷になったような感じがした。なのに足の裏はきれいであった。地に足がついていない状態でも(つま先状態なのに)足の甲などはかなり踏まれていた。祭りのあと、足にバイキンが入り腫れ上がってしまった。
 

7. 1時間ももみくちゃにされたぶんのどが渇くと思いますが地面の泥水をすするって本当ですか?

自分は飲まなかったが、渦の中は熱いサウナ状態なのでのどはからからに渇く。ゴーという地響きとともに熱さのためのどはからからで、たまらず泥水さえもすすることもあるらしい。しかし、自分は飲まなかった。なおい殿に担ぎ込まれてむしょうに腹がヘリ、うどんをすすってもう一杯おかわりするくらいの元気が残っていた。
 

8. 祭が終わって、ほとんどの人が1週間程度入院するそうですが、骨折等は有ったのでしょうか?

骨折はなかった。足にバイキンが入って腫れ上がり、一週間の間、点滴とペニシリンを打っていた。
 

9. 神男になって家族の反対は無かったのですか?

奥さんが大の祭り好きなので、反対しない。神男には1億円の保険が掛けられている。
 

10. 過去に神男で祭りの後亡くなった人がいると聞きましたが本当ですか?

昔は旅人を儺追い人として捕らえ、生贄となった時期もあったそうだ。近代は神守りがいるので死ぬことはない。
 

11. ルックルックでなおい殿に戻ってからは、裸のまま(越中褌はしていた)蒲団に寝かさて、全身に湿布を貼っていましたので心配でした。

このときにルックルックが撮影にきた。大の字になっているところへインタビューされたが迷惑だった。