稲沢市−数値地図25000(その8)



 
道路の幅員--2万5千地図の事情
 

 数値地図25000データは紙の地図をスキャンしてデジタル化したもの。元画像は画像として、別途地理院HPで公開されている。元の地図では道路は地形としてではなく、記号として描かれている。その線、点線を中心線として数値データが提供されている。
  
道路幅員 記 号備 考
真幅道路(8車線以上) 0.2mmの実線2本で実寸巾記入 25m,縮寸1mm
13.0m以上(4車線以上) 1mm実線 13m,縮寸0.52m
5.5m〜13.0m(2〜4車線) 0.8mm実線 5.5m,縮寸0.22m
3.0m〜5.5m(1車線) 0.4mm実線 3.0m,縮寸0.12m
1.5m〜3.0m(小型車道路) 0.2mm実線 1.5m,縮寸0.032m
1.5m未満(小道) 0.2mm破線  


 
道路の幅員--CADの事情
 

 Web地図の場合、地図に固定された縮尺というものはない。拡大縮小自由だからだ。それでも、大体のスケールという感覚はある。具体的には、市全域を15インチの画面の中央に一つの図形として表示したい。この場合25000に対応するだろう。自分の町内全域となれば2500だろう。ただし、この間、シームレスに拡大縮小される。
 CADは線に太さがないのが基本。このCAD事情により、道路は2重の巾線にしておく必要がある。AutoCADLTの場合、2重線DLINEを使ったが、2本の単独線である。オブジェクトのプロパテイ操作で巾を簡単に変更できない。道路巾が変更になったら再度消して書き直すしかないようだ。初回は区間ごとに画層を作り、画層の色を設定して線を書いた。修正は線の削除と再作図。修正専用のスクリプトを別途用意することにしよう。

 数値地図をCAD化したのだから印刷して書類として使いたい。この場合、オリジナルの2万5千と見た目変わらないような打ち出しが必要になる。白黒で印刷するだろう。現在赤色を0.3mmの線として打ち出すと 元地図のように1本の線になるだろう。印刷のことを考えるとスクリプトの段階で道路巾に対応して色を変えておくべきだろう。これはif文で簡単に処理できる。red,greenといった色名ではなく、10番、20番、30番と指定する。見た目には区別の出来ない赤なのだが、対応するペンを0.5、0.3、0.1とすれば元地図の線幅に完全対応できる。同じAutoCADLT数値地図データと言えども、色んなノウハウの詰まった商品が生まれていい訳だ。

 
道路交点の処理
 

 Webに特化した地図データに話しを戻す。道路は巾を忠実にCAD化したとしよう。道路交点の処理が必要になる。実際問題として、道路には隅切りがある。これも含めてCAD処理したいところうだ。将来、1/500の大縮尺地図のXMLデータが公開されるだろうが、何年先の将来だろうか。


 例えば、1/500の数値地図が整備されたとしよう。それを全市域結合して自由に拡大縮小して利用できるシステムが出来れば、25000、2500の地図は要らなくなる。10年先には、個人でそんなPCを持てる時代になる。そう考えていいだろうか。
 CADデータを設計業務で利用してみると分かるのだが、1/100の図面を合成して一般図の1/1000にすると、データ量が多すぎる。データが重すぎて処理が快適でないことも確かだが、絵としての適度な情報量といった点で好ましくない。やはり、全体とのバランスで必要な物があり、不要なものがないスッキリした地図データが必要なことがわかる。
 以上の考え方で紙の地図25000と2500を合成して市域全体と地区を紹介するWeb地図ベースをまとめよう。2500のデータには街区データがある。これは道路交点が地形線だ。道路交点処理をする必要がない。一方、道路区間データは道路巾データがない。したがって、街区以外は25000の道路区間データを利用する。道路交点処理は少ない作業量で済ませられるだろう。

 道路巾を当面どのように設定するか。レンジの上限、下限の選択がある。当面上限で処理して見よう。
  
道路幅員 採用道路巾 色番号備 考
真幅道路(8車線以上) 40m 16 2500の地形図で照査可能
13.0m以上(4車線以上) 25m 14(赤)  
5.5m〜13.0m(2〜4車線) 13m 22(赤)  
3.0m〜5.5m(1車線) 5.5m 30(赤)  
1.5m〜3.0m(小型車道路) 3.0m 31(赤)  
1.5m未満(小道) 1.5m 53 2500では省略されている

 この6種類の道路巾でデータは別ファイルに分割する。



2003.12.18
by Kon