稲沢市−数値地図25000(その6)



 
街区データを合成
 

 数値地図2500の街区データをすべて25000に合成した。この時点でDWGのファイルサイズは6MBになった。道路網を取り込めば9MBと予想される。はるかに予定オーバー。DWFにして500kbこちらも予定の倍以上だ。
 CAD図面のサイズとしては別段問題はない。6MBの道路設計一般図を圧縮して送り、クライアントと業務を進めている。両者自分のPCのハードデイスクからAutoCADLTを立ち上げて閲覧、修正、印刷する。普通のこと。問題はAutoCADLTのない人にプラグインをダウンロードしてもらいネットで閲覧して頂くには、500kbは快適ではないだろうということ。当社はまだISDNの環境だ。そろそろ光の100MBに移行する予定だが、ISDNの環境で失礼に当たらないファイルサイズをデータ作成の目安にしている。
 どこを軽くするか検討中。数値地図2500のデータで、取り込みたいデータで残りは公共建物。小学校や中学校は位置確認の重要な目標。山がある訳でもないし、川があるわけでもない。平坦な稲沢では公共建物は重要なランドマークだ。

 まずは、そちらの作業を終了させる。

 数値地図2500は単独で1回CAD化している。自動図化のjavaScriptも完成させた。 全域を図化して特に問題はなかった。問題はいろいろあったが乗り越えてきた。

 地区界を記入した時、地区ゾーンと文字がうまくバランスしない。気がかりだった。 街区をプロットしたとき、稲沢駅前と線路がうまく整合しない。数値地図25000に合成して 始めて気付くのだが。
 稲沢市で地図的に最も特徴があるのが、三宅川のS字蛇行。1200年前の木曽川の河川痕跡だ。なにも今の大河木曽川がうねって流れていたわけではない。八又に分かれた川筋の主流であったということ。このS字蛇行は市街化事業でも修正することはできない。この形にそって町が出来あがっているからだ。この形を点検すると両者ずれている。
 とうも平行移動しなければいけない原因がありそうだ。

 
一気に修正
 

 数値地図25000の座標値は三角点で点検した。CADは図面を書くだけのものと考えていない。寸法や面積が計算できる。すべての線や曲線を数値で管理しているCADならば、長さ計算、角度計算、面積計算は処理できて当然。別途プラニメーターという図面上で面積を測る道具は必要ない。測量用にAutoCADを使うなら、CAD上で座標値が読み取れるようにデータをセットしておくのが基本。
 CAD上の座標と数値地図25000の対応は照査OK。このデータに合わないのだから数値地図2500のデータを点検する。2500にも三角点データがある。市域の南東の奥田と北西の一色の2点の座標値を計算してみた。

奥田のデータ
sankaku.atr
FH,07MD821,07MD821\KIJUNTEN\SANKAKU.ATR,2,1,1,7,19,
-85500.0,-32000.0,-84000.0,-30000.0
P7301,1,11,52366675,5236-66-8501,奥,5236-01,
351353.384,1364910.664,
三等三角点,07,-85194.27,-31584.09,18.590

三等三角点、奥田52366675
 BL=351353.384,1364910.664
                  --->35°14′4″.9673 、136°49′0″.0527 
  X =-85500.0+305.7=-85194.3(-85194.27)
          --->-84845.432m.....北348.868
  Y =-32000.0+415.1=-31584.9(-31584.09)
          --->-31854.904m.... 西270.814

同様に、

三等三角点、片原一色52366599
 BL=351446.500,1364443.239 
              --->35°14′58″.0731,136°44′32″.6494
  X =-84000.0+ 468.5=-83531.5(-83531.52)
           --->-83182.609m.....北348.911
  Y =-40000.0+1662.1=-38337.9(-38337.88)
           --->-38608.634m.... 西270.754
 原因は2500のデータが旧座標系でした。2002年4月の測量法改正以後の6月にダウンロードしている。地理院のHPをよく読むと2003年2月に全デー測地成果2000に修正完了とあった。すこしタイミングが早かったようだ。
 2点の計算値から全体に平行移動と考えて差し支えない。25000のデータをロックして2500の全データを平行移動した。メッシュより三角点の位置をマールしておき、移動後25000の三角点に重なることを、奥田と一色で確認した。このような平行移動で済めば、CADは瞬時に処理を終る。


2003.12.04
by Kon