奥津(おくつ)神社
海部郡佐織町千引
この神社には宝物台帳に神鏡3面と記されていた。
奉納鏡は神社には珍しくなく、ほとんど江戸時代に作られたものの場合が多い。
昭和51年7月、当社の鏡は下記と判明した。
舶載(中国製)三角縁神獣鏡
吾作銘四神四獣鏡 1個 (京都府椿井大塚山古墳)
日月銘獣文帯四神四獣鏡 1個 (福岡県京都郡刈田町石塚山古墳)
波文帯竜虎鏡 1個 (京都府椿井大塚山古墳、大阪府和泉市黄金塚古墳)
( )内は同じ型で作られた鏡出土地
神社の高台は直径25m、高さ3.3mの円墳と推定される。
昭和52年トレンチ調査され版築工法による古墳と確認された。
社殿下び掘削は控えられ、石室等は認められなかった。
埴輪等も認められなかった。
三角縁神獣鏡についての所伝がないことにより確定できないが、
社殿建立時に頂を平らにし、その時出土の鏡を宝物としたと推定された。
4世紀中葉までに築造されたと見られる。
当地区は海抜ゼロm地帯である。
2000.4.9
by Kon