こがし祭り

2000年7月22日(土)(旧暦6月15日の祭礼)

愛知県稲沢市北市場






社殿では役員衆と神官により神事がとり行なわれている。





この祭りを”こがし祭り”と呼ぶ。

尾張の農民は天と地の恵により豊かであった。

米のおまんまを食べれたのでしょう。

”こがし”とは麦を粉にしてお団子にして焼いたもの。

たとえ米を食えない時にも、”こがし”を食っても

この祭りだけは絶やすな。

これが、北市場の言い伝えである。
振舞われたお神酒が乾いた口を潤し、おいしい。














神事が終わり、日下部(くさかべ)太鼓が奉納される。

北市場の隣に、かっての荘園、日下部荘由来の日下部太鼓が伝わる。



これが終わると、いよいよ切り花投げである。

山車を飾った”しい”の葉と紅白の切り花。

これを山車の屋根から撒く。

氏子はそれを持ち帰り、また一年軒先を飾る。








これで盛夏の厄避け祭りも終わりである。






境内から人が引けたのは10時ごろだったろうか。

京都祇園祭り、博多山笠と

牛頭(ごず)天王由来の夏祭りは多い。

今日は津島神社の宵祭りのはずだ。

往時の山船から陸に上がり、戦前までは山車の曳回しもあったが

戦後途絶えた。

しかし、”こがし”をくってもこの祭りだけは絶やすな。

それを受け継いでこられた北市場の氏子の皆様にお礼申しあげます。

この山車は、かけがえのない”私の町の山車”だからです。






切り花ひとつ、頂いて帰りました。






2000.7.22

by Kon