木曽川石頭山


 長野県鳥居峠の鉢盛山を源流として200kmの旅をした流れは、ここ犬山で 平野に出ることになる。川底から岩が顔を出し、両岸には岩山が迫る。何千年もの間 この川筋は変わりようがなかったのだろう。

 ラインパ−クと桃太郎神社のある南岸を上流に行くと、来栖神社を通りこして 道は行き止まりになる。かっては来栖の渡しがあったというが。ずっと昔の話。

 犬山橋に引き返そう。橋の向こうに富士山のような伊木山が見える。右手に 突き出た石柱のような石頭山。戦国時代には宇留間城(霧ケ城)があったという。今は廃屋の旅館があるのみだ。
 南に流れてきた川は、ここで西に向きを変える。行く手の岩山がそうさせたのだろう。

 昔、激流で洗われた崖の下を、くり貫いて道路が走る。全山チャ−トのように硬い岩山だ。あの石頭山も同じだろう。

 石頭山の向こうには、名鉄「新鵜沼」と高山線「鵜沼駅」がある。国道21号線 も川岸を走る。江戸時代は中山道であった。
 中山道は「うとう峠」を越えて大田宿に通じていた。だが、舟で南岸に渡り、また来栖の渡しで中山道にもどる。この利用者も多かったのだろう。そういう訳で、ここは中山道の前の東山道の時代から交通の要。実はその昔、石頭山の北を川が流れていたという。

2000.4.1
by Kon