藤嶋(ふちしま)神社


愛知県海部郡七宝町秋竹

伊福部神社から北へ2km。

蟹江川支流と福田川の中間を北上する道沿いに神社はある。

祭神は市杵嶋姫(いちきしまひめ)命

境内には藤の棚がある。

本殿左の祠は聖地であり、妊婦は目をつむり落ち葉を拾う。

表であれば女の子、裏であれば男の子が生まれるという。



祭神の市杵嶋姫は天照大神と須佐之男命が

天の安河原で誓約(うけ)をした時の

宗像三神のうちの一神である。

宗像(むなかた)三神は海の神、航海安全の神。

北九州の海人族、宗像氏が奉祀した神である。



参道の脇の水田に葦原があった。

往古、この一帯は遠浅の海であったと言われる。

三河国の猿投神社に伝わる古地図では、萱津島、沖之島、遠島が浮かぶという。

ここは、その遠島であったのではなかろうか。


「尾張国神名帳集説之訂考」

遠島は昔藤島と呼びしを鎌倉の末に湯桶(ゆとう)読みに

とうしま村とあやまれり、元弘建武以後遠島と誤れり。


鉄分を多く含む水の葦原ではバクテリアが茎に付着して鉄分を定着させる。

こうして出来たものを高師小僧と呼ぶが、古代の鉄の生産原料の一つであった。



2000.6.13
by Kon