地球全域で通信可能な世界初の衛星携帯電話システムとして 「イリジウム」
は1998年11月華々しく登場した。株の18%を持つ米モトローラを筆頭に米国主導の次世代ビジネス。
日本からも第二電電(DDI)グループが出資していた。
私も「イリジウム」のペ−ジを見たし、資料も請求してみた。今手元にあるパンフレットから、
その概要は以下である。 この電話が普及すれば雪山遭難者が家族と会話できる。 すごいなと思った。
友人がモロッコへ2年の海外協力隊として出向くことになった。 通話料を調べると6$/分。
国内間の通話料でも1.64$/分。まだ日常生活には使えそうにないと感じた。
それに端末が37万円。 |
もうひとつの衛星携帯電話事業「ICO」(本社・ロンドン)。衛星12基を
稼動させて2000年8月の事業開始を目指していた。日本からはKDDが出資している。
イリジウムと同様、資金難に直面。1999年8月に会社更生申請を強いられていた。
イリジウムとの違いはまだ衛星を打ち上げていなかったことである。 音声主体のシステムをインターネットなどにも応用出来るデータ通信主体に
変えることが可能であった。この変更で追加投資をし、開業は計画より2年遅れ
で実施される。
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全地球をカバ−する衛星網による携帯電話。「イリジウム」がやらなければ
誰かがビジネス特許を取っているだろう。この次世代ビジネスも音声主体からデ−タ−主体へ、アナログからデジタルへ、この時代の変化とその
タイミングで明暗を分けた。このことを見極める感性を常に磨いておきたいと思う。 |