ビジネスホテルポータル




 旅の窓口

 2003年9月4日。楽天株式会社は、日立造船株式会社が保有するマイトリップ・ネット株式会社の全株式を323億円で譲り受け、楽天の100%子会社とすることで合意した。

 マイトリップ・ネットは「旅の窓口」の運営会社。ビジネスを中心とした宿泊予約サイトで、2003年7月の会員数は283万人、登録宿泊施設数は1万1,673施設。海外でも4,400軒の宿泊施設が登録されている。

 SunからUNIXへ

「旅の窓口」の軌跡 1995年  日立造船情報システム社内ベンチャーとして事業着手。 1996年1月 「ホテルの窓口」としてサイトを開設。 1999年7月 旅行の総合サイト「旅の窓口」にリニューアル。 2000年2月 日立造船情報システムから分社独立。 2003年 楽天株式会社の傘下に。
 日立造船の情報システム部門を母体とする「旅の窓口」は、情報システムエンジニアリングとしての力をフルに発揮してNo.1を勝ち取ったのである。
 Sun IPXを使った小規模 なシステムから、IBMのUNIXサーバー、RS/6000 モデルS80、IBM eServer pSeries 690と続く システム導入がそれを物語る。「止まらないサービスを安定したレスポンスで提供する」ことが必須の予約システム構築において、得意分野で遺憾無く自分の力を発揮した成功例といえるだろう。



    楽天トラベル

  2001年3月。インターネットショッピング&オークションサイト「楽天市場」の 楽天株式会社が「楽天トラベル」を運営開始。出展宿泊施設数の拡大を図るため、宿泊施設との直接契約のほか、代理店制度で予約専用システム提供を始めた。

 2002年7月。楽天は「楽天トラベル」を分社化。
 2002年12月。三菱商事系のトラベル・シーオージェーピー株式会社が、旅行商品検索エンジンを「楽天トラベル」に提供。

 2003年9月4日。楽天、323億円で「旅の窓口」を譲り受ける。
 2003年9月25日。目的地の駅からホテルを探せる「駅から検索機能」スタート!

 2003年11月。「楽天トラベル」は契約宿泊施設数が5,000軒を突破したことを発表。


 ホテル予約システムでは圧倒的に質の高い「旅の窓口」に「楽天トラベル」はシステム集約されていくことに間違いはない。現在は両者並立のサービスが行なわれている。


 ホテルポータル 

 「楽天トラベル」、「旅の窓口」、「Yahooトラベル」。どこも宿泊施設の登録は無料。簡単な宿のページと空室検索、オンライン予約ができる。利用があった時に、手数料を払えば済む。年間を通じて部屋の稼働率アップに悩みがつきない宿にとって、インターネットは有難いメデイアとなった。月5万円の利用料が前提だった楽天でさえ、宿泊施設は成功報酬型のサービスである。ことホテル予約に関しては「旅の窓口」の果たした役割が大きかったと推測される。

 だが、2000年の売上高10億円以前、1999年で6100万円である。「旅の窓口」は、それまで、雲をつかむようなビジネスだったろう。ネットビジネスはあるとき急に勝負がつく。おそろしい世界とも言える。

 システムエンジニアの集団が勝負を掛けた宿泊施設ビジネス。ホテル,ビジネスホテルをメインターゲットとしたことが勝因ではないだろうか。利便性と価格で独立性の高いビジネスホテルはシステムに馴染みやすい。これが観光旅館だったらどうだったろう。観光旅館には旧来のシステムがある。宿泊だけではない観光という複合要素が絡む。そこを戦場としない戦略、戦術があったのだろう。

 トラベルポータル 

 資本金3億円。年間売上30憶の会社が300憶で買収された。しかし、予約システムで圧倒的に優勢な「旅の窓口」が買収される側である。ここが技術を売る会社の宿命。というより、宿泊はトラベルの一要素でしかないというのが本質だろう。

 それでは、トラベルポータルの雄はどこだろう。当然「楽天トラベル」はそこを目指している。まだ戦いが始まったばかりといえる。インターネット以前のトラベルポータルはJTBだろうか。JTBは「Yahooトラベル」を運営している。無料をベースにしたインターネット黎明期のブランド会社Yahooは個人Webオーナーにビジネスを提供できなかった。旧来システムのトラベルポータルJTBも個人Webオーナーにビジネスのチャンスを提供していない。業界向き体質の転換は不可能だろう。

 さて、個人Webオーナーとして今後の動向を見据え、どんな広告を掲載して行くか。 考えておかなければならない。思うに、支給されるページでは満足できない個人旅館の応援といったところうがターゲットだろう。無料登録で宿検索とオンライン予約機能が利用できる。「楽天トラベル」に登録すれば「旅の窓口」が構築したシステムが無料で利用できる。「駅から検索」といったサービスを無料で利用できる。すごい事だ。後は、旅館のご主人が、 ここでしか聞けない潮騒、ここでしか見えない夕焼け、ここでしか聞こえない鳥の声。そんなコンテンツを発信すること。丁寧な「おもてなし」をアピールすること。チャンスはあるとおもうのだが。四国の小さな町が、「日本で夕日の一番綺麗な町」と信じて、町おこしに励んでいます。ごぞんじだろうか。

 日本のインターネット事情はもう世界一になってしまった。「アメリカでは」という話はもう通用しない。日本から何かが始まる時代を迎えたといえる。

 僕は「楽天トラベル」の広告リンクを貼ることにしよう。ここは、「楽天トラベル」内のどのページにもリンクOK。INDEXページ以外の無断リンクは御法度というのはもう古い話だ。「楽天トラベル」で元気な女将のいるページを見つけたらリンク貼らせてもらおう。
2004.4.16


 2004年9月 

 「旅の窓口 からパートナーの皆様へ」として、 サービス名称が9月14日より「楽天トラベル」に変更になると連絡があった。

*****以下はWeb上のアナウンス
「旅の窓口」では2003年9月に楽天グループに参画後、それまで注力していたビジネスマンの出張需要に加えて、レジャー関連のサービスについても力を入れてサービス展開をしてまいりました。一方「楽天トラベル」はサービス提供開始当初より、主にレジャーを対象としたサービス拡充に注力し運営してまいりました。楽天トラベル株式会社では、予てより進めていた両サイトのレジャー部門の強化に関するスピードを上げ、あらゆる旅行ニーズに応えることができる総合的な旅行サイト化を推進するため、このたび「旅の窓口」と「楽天トラベル」を統合し、総合旅行サイト「楽天トラベル」として運営することとなりました。
****以上引用*****************

目的地の沿線にあるホテルを探す「旅の窓口」

 この検索システムを使ってみるとわかるのだが、便利。これ以上のホテル検索システムは登場しないだろう。 多くの全国お宿検索サイトがあったが、「全国」と表明して生き残ることは至難の技といえそうだ。
 9月3日の時点で、国内 13800 、海外 11473の宿泊施設が登録されている。「旅の窓口」が宿泊施設の登録を受付けている。「楽天トラベル」は受付窓口を閉じた。従来通り宿泊施設登録無料に変わりない。ホテル側では、24時間対応の予約システムを成約した場合だけ手数料を支払って利用できる。これを利用しない手はない。宿泊客の立場でも、インターネット割引料金で宿泊できる。あるグループ、あるサイトで予約申込をクリックする時、考えるのは「他にもっといい所ないかしら」だ。ベースとして「旅の窓口」を押さえておけば、間違いはなさそうだ。
 例えば、僕は名鉄本線の国府宮に事務所があるが、歩いて5分の範囲に3件ホテルを知っている。検索では1件しかでない。いずれ登録されるだろうと思っている。



 日本旅行 「宿ぷらざ」 

 パートナーサイト各位

いつもお世話になっております。
日頃より、日本旅行 宿ぷらざのバナーを掲載いただき、
ありがとうございます。

おかげさまで「宿ぷらざ」も会員50万人を突破しました。
記念キャンペーンとしてポイント50倍還元を展開しています。

2004年7月1日にこのようなメールを頂く。7月12日には
パートナーサイト各位

お世話になっております。
平素より、OMCホテルネットのバナーを掲載いただき、
誠にありがとうございます。
弊社旅行部門は来る9月1日付けで株式会社日本旅行様との
合弁会社に営業譲渡する予定でございます。
これに伴い、「OMCホテルネット」も7月30日で新規の宿泊受付
を停止し、8月31日ですべてのサービスを終了することになりました。
パートナーサイト様とは、2001年6月より、お世話になっており、
多くのご送客をいただきましたが新規受付の終了とともにプログラムを
終了とさせていただきます。
バリューコマース様の規定では5日前にプログラム終了の告知をさせて
いただく、規定ではございますが多くのテキストリンクを掲載させてい
ただいているサイト様の作業負荷を考え、早めにお知らせさせて
いただきました。
尚、OMCホテルネットのお客様には、日本旅行様提供の「宿ぷらざ」様
をご紹介させていただいております。
パートーナーサイト様の中で、「宿ぷらざ」様とのオファーを結んでおら
れないサイト様には、この機会に「宿ぷらざ」様との提携をお勧めいたし
ます。
長い間、本当にありがとうございました。
                 OMCホテルネット管理者

                   と連絡を頂いた。


 地図から検索 

 OMCホテルネットは株式会社オーエムシーカードの旅行事業部。Webトップページ以外にホテル、旅館のページに直接リンクを許可し、さらに1クリック1円を付けたサイト。といっても、2003年11月までの半年程だが。11月以降もテキストリンクは継続しておいた。テキストリンクを削除しながらクリック数を点検すると、2003年11月以降も順調にクリックはあったようだ。だが、そこから予約に発展したケースはゼロ。
 ホテルのリンクを張って、そこから予約をしてもらうには、それなりの情報量の中で「他にもっといい所ないかしら」と迷いを起こさせない説得力が必要なのだろう。それに合格するサイトは、インターネットサービスのその部門で生き残った2、3のサイトでしかないような気がするのだが。

名古屋駅周辺ホテルを地図から検索

 日本旅行の「宿ぷらざ」は、地図から検索を始めた。これって、面白い。早速リンクしてみた。


 JTB 

 「旅の窓口」と「楽天トラベル」の合併の目的は、トラベルポータルになること。お互いの特徴を活かして大きくなること。だが、1 + 1 =2では合併の効果としては及第点とはいえない。 1 + 1 =4が達成されて及第点なのだろう。ところうが、1 + 1 =2以下というケースが有り得る。並外れたテキストマッチング技術で勝利者になった「旅の窓口」は、観光という複合分野で「並外れた」地位を勝ち取れとは限らない。

 些細なことだが、 僕の町は「はだか祭り」という、この分野では全国トップレベルの観光ブランドを持っている。 その町の旅館の「近くの観光スポット」をクリックすると、「瀬戸物」の町、瀬戸市のページがポップアップする。確かに、稲沢市も瀬戸市も愛知県西部にちがいないが、瀬戸市の「瀬戸物祭り」は、行ってみようと決めたとして車で1時間ほどで到着する。稲沢市とは観光ブランドとしては無縁なのである。

2004年7月20日にこのようなメールを頂く。
7月1日より、「イサイズじゃらん」が「じゃらんnet」に
変更となりました。サイトコンテンツ等、中身は変りませんが
、ロゴデザインが若干変りました。貴サイト様で掲載されてい
る場合は速やかに変更のほど、よろしくお願いいたします。

バリューコマースのイチオシ機能「My Link」を採用しており
ますが、お陰で皆様に大好評をいただいております。
やはり、個別宿泊施設への直接リンクは旅行サイト様にとって
みれば重要なんですね。

(以下略)
 おそらく、「じゃらんnet」を請け負っているWeb製作会社のスタッフは、 個人Webオーナーが何を必要としているか理解していないだろう。宿泊施設の 利用者である個人に最も近い立場で、その旅館が立地する地域に在住し、 その町を知り尽くした個人が発するコンテンツは、単なる「デジタルデザイン」ではなく、 命を宿したコンテンツだ。インターネット文化は、「業界」の殻を破った「個人」ワールドに向かっていると思うのだが。

 リクルートのトラベルポータル「じゃらんnet」は7月に動いた。そして、トラベルポータルの雄、JTBがバリューコマースに登場した。これで、2004年9月から始まる日本の「トラベルポータル」ガチンコ勝負が始まる。

  JTBの前身は大正元年(1912)設立の社団法人「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」。1938年頃から、シベリア鉄道で満州を経由して上海を目指したユダヤ人難民は五千人にのぼると推定される。1941年6月の独ソ開戦によって、シベリヤ鉄道は運行停止しルートは断たれる。この間、国境の町、満州里のJTB職員たちは、差し出された時計や宝石をポケットマネーで買い取り、切符を購入させたと言われる。

 ガチンコ勝負の行方を見守るとして、僕はエンジニアだから、日立造船の窓際エンジニアが作り上げた「旅の窓口」を限りなく応援したい気がするが、社用族の業界ニーズにあまり関心はない。個人旅館オーナーと個人宿泊客との心の掛け橋になる「トラベルポータル」はどこなのだろうと注目をしている。

2004.9.4
by Kon