広告バナ−の貼り方2003.7.10


 

広告バナ−サイズ
 

 広告バナ−。バナ−はbannerで横断幕といった意味。 このサイズにも規格がある。468×60Pixelをフル バナーと呼び、これが標準。パソコンでブラウザを開いた時、 大体デスクトップの半分を使うのだろう。その場合、フルバナーは横幅一杯といった 大きさ。
 フルバナーの1/3程の巾のものをボタンと呼ぶ。僕はページの署名部に135×18Pixelのマイクロボタンを使うことにしている。
 バナ−広告には、色んなサイズのバナーが用意されているが、特殊サイズは無い 場合がある。できるだけ標準のものを使っていれば、大抵不自由はしない。

 

バナ−の位置
 

 広告バナ−は人目につく所に掲載する。ページを開いて、 まず最初に目に飛びこむ所といえば、ページの最上段だ。そこを提供するのは、広告料を払って もらうマーチャントへの礼儀。
 それは、そうなのだが。Yahooのようなビッグサイトは広告が表示されただけで 広告料が支払われる。1000回表示で1円といったところうであろうか。個人 Webは、表示されただけで広告料は支払われない。たとえ払われたとしても 1日100回も表示されない個人Webには、恩恵がある訳でもない。だから、 ページの最上段に広告バナ−を貼ることは、鉄則ではない。
 世界の片隅にあるページを、出来るだけ見てもらうには、ページコンテンツの クオリテイーを上げ、Googleのランクを上位にする事が最も効率的。GoogleはページのTop近辺のTEXTを重要視してランキングをすると言われる。ならぼ、ページの最上段に画像バナーを貼る事はマイナス要因となる。ページの最上段に広告バナ−を貼ることは、鉄則ではない。
 僕はページの最下段に画像バナーを貼る事にした。この位置まで目を通してくれる 閲覧者は少ない。ましてや、クリックしてくれる人も少ない。バナー選びは慎重にしなければならない。

 

バナーの選び方
 

 個人Webに提供されるバナーは、そのバナーから広告主のサイト に行き商品購入されて始めて報酬が支払われる。購入費の10%とかの取り決めとなっている。クリックして広告主のサイトを眺めただけでは収入にはつながらない。これが大半。 クリック報酬があるバナーもあるにはあるが。

 最近、ショッピングモール「楽天」が盛況で、大抵の商品が購入可能である。ここのバナー からモールに入って商品を購入すると、購入代金の1%が広告料として頂ける。という ことは、自分の家計支出の1%はキャッシュバックしてもらえるシステムが作れる。 個人Webで広告バナーを貼る第一目的はこれ。小額の日用品は、送料を考えると 1%のキャッシュバックで買うわけにはゆかない。近くの商店で買うことになる。
 近くの商店で買えない物、5万円以上の物、ネット価格で安い物、こんな所は ショッピングモール「楽天」で購入するメリットがある。僕は、そんな物の購入予定 があると、まずバナーを探し、貼っておく。ショップがブランドを確立すれば、モールではなく、直接バナーを提供する。当然モールに払う費用を直接消費者に還元するから、キャッシュバック率が高い。価格比較などをしながら、 バナー収集しておく。最終購入時点では、3つくらいのバナーが並ぶ。 総合的に考えて、その中から購入する。
 多分、こうした消費行動がインターネット時代の消費者パターンに定着すると思う。 各家庭、あるいは各ファミリーに1個は個人Webが存在することになる。 個人Webだから取りたてて飾る必要もない、シンプルで質素でいい。Web構築に 別段の費用が必要でもない。許される 時間の範囲でテキパキと処理する。インターネット時代、新たな「家事」といったところうか。お父さん担当の「家事」だろうか。テキパキ主婦の必須項目 にホームページメンテナンスが加わるのではないだろうか。
 こうした個人Webの広告バナーは、今後の商品流通において、結構重要なファクターに成長するだろう。最近、「自動車保険の比較 サイト」というのがあるが、「賢い洗濯機の選び方」といったサイトは見当たらない。 それは広告会社が運営できるWebサイトでは発信できない。どなたかのサイトの1ページ に、それに近いものがあるだろう。「ところうで、その後のお使いの様子はどうですか 」とメールしてみれば、実際の選択が良かったのか悪かったのかフォローできる。 スポンサーに気使いのない生の情報交換ができるだろう。個人Webオーナー達の 情報交換ネットワーク。僕達が手に入れたそれが「ネット」の本質だろう。
 広告バナーは商品流通販売リサーチ会社にとっても重要データーとなる。サンプリングしたお宅に電話掛けるモニタリングよりも、ターゲット商品の広告バナーを検索して個人Web だったらメールを入れればいい。購入予定なのか、購入済みなのか、購入済なら 商品評価は。
 こうした広告バナーの「双方向性」に着目すると、クリックされる広告は、それなりに 価値がある。今、広告クリックに対して報酬を付けていないマーチャントが大半であるが、 将来的には見直しの時期がくるものと思う。マーチャントが一番欲しい情報は、「見込み 客」の情報だ。潜在的購入希望者をいかに実購入者にするか、そこは正にマーチャント の価値が試されるリングだ。ファミリーの「家事」担当者としては、「見込み 客」情報を発信することを見据えた戦略を持ってネットウオッチしていきたいものだ。

 このような将来ビジョンのもと広告バナーを選ぶとして、まずは自分の興味ある物 を選ぶ。次ぎにクリック報酬のある物を選ぶ。

 自分のWebコンテンツにふさわしい広告を選ぶのが鉄則といわれる。確かにコンテンツに興味のある人しか訪問してくれない。そのうちの100人に1人程しか広告をクリックしてはくれない。ましてや、そこから購入してくれる人はいない。
 僕の実績を一つ公開します。僕は在住の町の祭りを発信している。この統計はTop ページの下の方に貼った130×45Pixeのボタンバナー。祭にぴったりのバナーはない。僕が興味があったTA、ホテル、カードローン等のバナーを貼って来た2年間の実績。毎年2月の祭りの季節にはアクセスが増える。通常1500PV/月程だが、祭りの月は4500PV/月、8500PV/月であった。PVの増大によりクリック数が増えるかというと、そうではない。
 僕はこの結果をこう分析した。ページを訪れるリピーターは僕の発信する祭り情報を見に来る。祭り本番の時期はその情報に注意が集中し、逆にバナーへの注意は低下すると。物事、良い様にも悪い様にも解釈できるなら、良い様に解釈しよう。僕のコンテンツは広告バナーに負けるような柔なコンテンツではなかったと。
 コンテンツにふさわしい広告とはどんなものだろう。テレビ番組でバンダイのアニメ 番組があった。ロボットが活躍するアニメ。そしてそのロボットトイの宣伝。コンテンツにふさわしい広告とは、こういうものだろう。それならば、広告に合わせてコンテンツを作ろう。コンテンツの一部に商品選択の経緯と使用レポートのページを作っておこう。

 さて、ページの署名の下に広告バナーを貼るとして、今自分が興味を持っている 商品のバナーを貼ろう。別段コンテンツとの関連にこだわることはない。10枚程度 のページ構成だったら、同業他社のバナーを貼れば、そこは埋まってしまう。 そのバナーをクリックして商品の吟味をしよう。商品だけではなく、その商品を 生産している会社のポリシーなども探ってみよう。そういう商品研究には時間がかかる、クリックしていただくわずかばかりの報酬は当然の報酬である。単価の高いもの 程有難い。無闇にクリックしても報酬は発生しない。大抵6時間程経過しないと カウントされないシステムになっている。元々購買意思のない商品をクリック しても一応報酬は頂ける。しかし、実績は記録されていて単価がランクダウン されることを覚悟しておこう。

 

クリック単価
 

 「双方向」をキーワードとするインターネット広告で 相当期待したビジネスモデル「へそクリック」。ITバブル崩壊の波の中、 一頓挫といった結果となったが、僕とサポートの往復書簡の一部を公開 いたします。

2003年6月10日
Kon 様

こんばんは。「へそクリック」サポート担当のDAIと申します。
ご質問につきまして、可能な限り回答させて頂きます。

> 「アクティブ スクロールバナー」による課金システム
> は一応稼働したようです。僕も4クリックの成果を
> いただいております。
> その後、従来のオプトインメールに変わったようです。
> 会員としての僕にスポンサーは 付きませんでした。
>その理由として
> 1)スポンサーが少なく僕まで広告が回らなかった。
> 2)会員としての僕はスポンサーには魅力のない消費者だった。
> 3)広告単価が急激に下がり、1クリック70円の配信が不可能
>になった。

> オーナーという立場も含めますと
>
> 4)オーナー、会員を特定するシステムに理論的不備
>   があり、システム稼働を中止した。
> 5)システムに理論的不備はないが、スパム行為を
>   排除するロジックが完成できなかった。
> 6)広告媒体の個人Webは広告主の側からは
>   魅力的な媒体ではなく、賛同がえられなかった。
>
> このような点を推測するのですが。いかがで
> しょうか。


おっしゃる通り、サイトオーナー様及び会員様には絶大なる
ご支持を頂戴致しました。
インセンティブを付与するサービス、俗にいう「お得系」の
サービスは、弊社が起業した当初(2000年10月)では珍しく、
コンシューマーとのダイレクトマーケティングを実践する上で
相当期待されたものでした。
実際、アクティブにクリックしてくれる会員は一般のバナー
広告が1%前後まで低迷する中、驚異的な40〜60%を記録
しておりました。

本来ならば、広告主、サイトオーナー、会員と3者が共に利益
を得、3者間でのコミュニケーションがより活発になる見込み
でした。

しかし、実際蓋を開けてみると、当初予想した以上にコンバージョン
(成約率)が低く、費用対効果から広告主にとってはメリット
の少ないものになってしまいました。

つまり、広告を「見る」という観点では合格点なのですが、広告主
の利益、つまり最終目標である「商品購入」や「会員登録」などの
結果が芳しくなかったということです。

※実例として某通信販売会社の広告を掲載した際、3万名もの
アクション(クリック)がありましたが、売上が0円という事態
もありました。

インタラクティブ(双方向)性を持つインターネットが生んだ
革新的なアイディアではありましたが、現実問題として広告主の
獲得が一番の障害でした。

また、同じ頃、バナーのクリックに対する広告効果が懐疑的になり、
バナークリックによる認知度も高くないと叫ばれ始めました。
(俗にいうブランディング効果)
同じく同時期、クリック保証型バナー広告ネットワークの大手
「サイバークリック」が撤退を決めております。

折から、新しい広告測定基準「アフェリエイト」が台頭し、成果
に対してのみ報酬を支払えばよいという広告主からは費用対効果
が容易に計算できるシステムが支持され現在に至っております。

クリック保証型は、確固たるブランドイメージと
アクセス数を誇るサイトに限定されていきました。
(Yahoo!などが代表的です。)

元々、弊社の理念は、一般消費者(会員)との蜜なコミュニケーション
を図ることでした。マスメディア化するバナー広告よりも
メール等で会員と共に末永く存続できる方向を選択した次第
です。

[補足]
当社起業当時は、「寝ていても広告は取れる」ITバブルの真っ只中でして、
昨今の景気低迷とあいまって、いまや幻想とも思えます。
(個人観ではありますが...)


> 僕は規模小さくした顔の見える商圏で、このようなシステムを
> 稼働したいと考えております。33才の谷田部さんがべンチャ−
> 企業設立した時の思いは,間違っていないとおもいます。
> 理想を高く掲げ、失敗を糧として、その実現に足を進めたい
>とおもいます。
> ご苦労の一端をお聞かせ願えれば幸いです。


弊社は、主に技術系の社員が多く、「アクティブスクロールバナー」に
つきましてもシステム的な戦略の自信はありました。
実際、当初のサービスと方法は変わってきましたが、本来の目標であり
ます「会員と共に成長する」という理念には変わりありません。
今後更に注力していく所存です。

将来、またサイトオーナー様とのコラボレーションを計れることも
まだまだ、あきらめておりませんのでその節には何卒、よろしく
お願い申し上げます。

長文失礼致しました。

━━ HESO-CLICK.COM ━━━━━━━━━━━━━
 ☆ サポート担当 DAI           
 ☆ 株式会社ネーブル n@vel inc.          
 ☆ URL    http://www.heso-click.com           
━━ HESO-CLICK.COM ━━━━━━━━━━━━━ 


 ここから導き出せる結論は、広告バナ−は「双方向」をキーワードとするインターネット広告ツールではないということ。少なくとも、確固たるブランドイメージと アクセス数を確立した一部サイトに対するクリック保証型は、マスメデイア媒体 のインターネット焼き直し版にしかすぎない。従来の発想習慣を引き摺った古さを持っている 。
 顔の見えない「一般大衆」を観客とするマスメデイア。ここから抜け出したい 僕、そして貴方。僕を「一般大衆」の一人として見ないで欲しい。僕の消費行動には 個性があります。僕はそれを発信します。それを受けとめてくれるマーチャント がいるはずだ。そのマーチャントと僕は巡り合いたい。巡り合えるだろう。 それが「ザ・ネット」だと思う。
 ブロードバンドと地上波TVの環境が整う2003年末は、「ザ・ネット」にも 大きなウエーブが押し寄せる。映像アーカイブを握るマスメデイアは、 その資産を武器に「ザ・ネット」に雪崩れ込んで来るだろう。その波の中、僕のような 個人Webオーナーは生き残れるのだろうか。僕には不安はあるが、ほんの少しの 光も見える。僕の小脇に抱えるのは、等身大のボード。豪華客船でこの波を乗り越えようとは思っていない。Hoopsという会社があった。会員50万人を擁する 無料ページスペースサービスでインターネット黎明期の一時代を担った会社だ。 ここの社員数は10名。この事が何を暗示すのだろうか。
 常時接続、ブロードバンドと整備されたインターネット環境で、まだ一つ足りないものがある。ICカードの個人認証システム。せいぜい2、3千円のUSB接続のIC カードリーダーが普及するのはいつだろう。その環境が整うまでは勝負をしてはいけない。うまくバランスをとってサーフするしかない。
 2003年7月9日の日経1面は「政府、リナックス採用--富士通など受注--」。 7面には「デジタルラジオ、試験放送10月10日から。--携帯電話やカーナビなどを主体に--」。そして12面に「ICカードで本人確認。三井住友カードとマイクロソフト開発。導入費半分に。--2004年末までに500社の社内パソコン管理用--」。

 僕は思うのだが、米国はITバブルの清算を「戦争」と言う名の公共事業で解決してしまった。それは、蹉跌だったと思う。「戦争」と言う名の公共事業はしない。 ならば、痛みも我慢しよう。これが僕達の信念。これから訪れる「ザ・ネット」の 主戦場は米国にはもうない。「米国では...」という話しは、もう止めにしよう。2003年末の日本。ここで「ザ・ネット」のトレンドが生まれる。この波をいっしょにサーフ しませんか。スコールの前触れの風が吹く中で、僕は沖の白波を見つめた。

2003.7.10
by Kon