AutoCADLT2002 Tips−14




 
イメージ
 AutoCADLT2002でラスターを挿入することは出来ない。挿入済みの図面をAutoCADのDWGで受け取れば、閲覧と簡単な操作はできる。

 

image
 

 コマンドラインからimageと打ち込むと、イメージ管理ダイアログが開く。下記の操作が出来る。
  • イメージの名前変更(名前を選択し、もう一度クリック。またはF2を押す。変更可能になる。)
  • イメージ オブジェクトのファイルパスを変更、保存
  • イメージをロードまたはロード解除
 イメージ管理ダイアログを開いてみると分かるのだが、DWG図面の外部参照とまったく同じ仕様である。本家AutoCADのサブセット版である商品コンセプトから、コントロールに制限が加えてあるのだろう。いたしかたない。余裕のある方は本家AutoCAD購入をお勧めする。余裕のない僕は、CADスキルでLTを使いこなす。LTは機能制限はされているが、心臓部は本家AoutoCAと同じ。AoutoCAD2000では、すでにActivexObjectとしてラスターイメージが扱える。ということは、LT2002でもコトロール可能ということになる。

 ラスターイメージの周囲にフレーム枠が表示されている。この場合、環境変数 IMAGEFRAMEがオンである。
  • 削除、移動、複写、回転、尺度変更などの編集コマンドを使用出来る。
  • 他図面へのコピー、張り付け(ドラッグも可能)
 フレーム枠が表示されていると印刷されてしまう。IMAGEFRAMEをオフにしておく。 調整したスケールが狂わないためにも、通常はオフで、編集は不可としてある。

ON/OFFはコマンドラインからIMAGEFRAMEと打ち込む。98でも操作できる。


 

TIFF
 

 電子納品された成果を資料として詳細設計をする。こんなケースが増えてきた。計画平面図はTIFF画像しかない。こんなケースに遭遇した。
 TIFFはTagged Image File Formatの略。1986年、米国Aluds(アルダス)社が、Macintosh上のソフトウェアPageMaker(ページメーカー)を IBM-PC に移植する際に開発した。その後、マイクロソフト、アルダス、ヒューレットパッカードなどのスキャナメーカが規格化し、異なるOSやパソコン機器で画像ファイルを交換できるように、画像ファイルの先頭にタグを付けている。アルダスはadobeに吸収されてTIFFのパテントはPhotoShopのadobeが持っている。基本的にはインターネット以前の規格であり、圧縮機能はない。

 図面画像のタイトルを消さないといけなくなった。PhotoShopで修正して保存し直した。277KBのサイズが3000KBに膨れ上がった。 PhotoShopElementを使っているのだが、LZW圧縮は掛けられる。 圧縮するとAutoCADLTが認識しなくなった。とりあえず、圧縮なしで済ませた。

 ファイルの拡張子TIFのTIFF画像は、ビットマップ系に属し、フルカラー印刷で使うインクの色に合わせたCMYKモードをサポートし、出版物の写真によく使われる。LZW形式,PackBits形式の圧縮も可能だが、一般的には無圧縮で利用されることが多いそうだ。PC-AT互換機とMacintoshとでは、データの並びが異なるので注意が必要。ファクシミリはファクシミリ画像の保存形式としてTIFFを採用している。

 Windows98にはKodak社のImaging for Windowsが標準添付されている。ファイルの拡張子TIFには、これが関連付けてあり、TIFF画像をダブルクリックすると Imaging for Windowsが開く。これはなかなかの優れもの。画像といえば、GIFかJPEG。注目しなかったTIFFが電子納品をきっかけに身近になった。ITとは Web化と思っていたが、確かに紙から電子媒体化もITなのだろう。XMLとPDFで、その中間で爆発的に普及したHTMLを扱わない日本電子納品仕様はいったい何だろうと思うのだが、まずはTIFFからマスターしておこう。

 編集機能も完璧。圧縮もG4規格で完璧。ということでした。 ファクシミリも写真フィルムもアナログということで見向かれなくなるのだが、尊敬に値する技術があった事は、忘れないでおこう。

 

ラスター イメージ
 

 AutoCADLT98でも画像を「貼り付け」ることは出来た。クリップボード経由のコピー&ペーストはWindowsアプリケーションの基本機能だから当然といえる。しかし、クリップボードの仕様を超えることはできない。印刷に耐える精度を確保するにはファイサイズが膨大となる。次にOLE機能を利用する方法がある。これも画像をDWGデータに取り込むのでファイサイズが大きくなる。OLEを提供するソフト側の事情だろうが、満足な機能ではなかった。
 本家AutoCADはWin98以後ActiveXオブジェクトとしてラスターを処理する。外部参照XREFというのはActiveXオブジェクト機能ということだろう。AutoCADLTは機能制限版であり、ラスター新規読込み機能はカットしてある。具体的には、コマンドラインからIMAGECLIPを利用できないようにしてある。その後の編集機能は提供されている。ただそれだけの違いと考えていい。
 ならば、新規にラスターオブジェクトを挿入する方法を用意しておこう。ラスター イメージの挿入されている図面を1枚入手する。ゼロからスタートの図面を1枚開く。IMAGEFRAMEをクリックしてハンドルマークを表示する。マウス右クリック&プレスで新規図面にドロップする。これでIMAGEFRAMEだけのシンプル図面ができる。この図面から、自分のCADスキルが詰まったテンプレートを一枚作っておこう。

 本家AutoCADはVBAを2000で搭載した。純正MicrosoftWindowsのアプリケーションとなった。AutoCADLT2004はVBAをサポートしていない。次期バージョンは2006だ。それまで古いOLE機能を残しているが、この機能はお勧めしない。 AutoDesk社の商品戦略だから致し方ないのだが、CADユーザサイドからすれば、 プラットホームのWindowsテクノロジーをクールに学び、AutoDesk社の動向を見守ろう。そろそろLinux上のAutoCADDWG互換市場がブレークすると予想する。PersonalComputer、パソコンという商品を市場に誕生させた名誉だけを手にしたIBMの事例をAutoDesk社はどのように分析しているのだろう。興味あるトピックスだ。

2004.1.21
by Kon