AutoCADLT2002 Tips−13




 
外部参照
 AoutoCADLT98でもあったが、「外部参照」という機能がある。別ファイルのDWGを背景に使うと考えたらいい。

 

XREF
 

 道路や高架橋の一般図は、測量平面を下敷きに計画線を追加して行く。この場合、現況地形は修正しない。ならば、下絵として「壁紙」でもいいはずだ。「外部参照」は、別ファイルのDWGを画面表示する機能。DWGだから端点とか交点にスナップは出来る。利用してみると便利だ。
 挿入外部参照でDWGを選択するダイアログが開く。ファイルをクリックすると「外部参照アタッチ」ダイアログが開く。



 挿入位置、倍率、回転が出来るので、図面合成に精度上の不具合はない。
通常はアタッチを選択して合成する。 合成された図面はブロックと同じで、ひとつのオブジェクト。どこかヒットすると全体が選択対象になる。

 挿入外部参照管理でコントロールダイアログが開く。

  • ロード解除 非表示になる。  再ロード 表示にする。
  • アタッチ解除 参照が解消される。
  • バインド 図面内ブロックに変換される。
 親図面と参照図面は、同じ場所に保存しておくことにしている。パスは保存しない。図面を送付した場合、社内のパスと相手先のパスは違うのでトラブルの元になる。 オプションで設定したパスは自動検索してくれる。参照図面はこのパス範囲に保存することにしている。


 

マルチドキュメント
 

 従来、現況地形はブロックを利用していた。AoutoCADLT98はシングルドキュメント。図面2枚を開くにはAoutoCADLTを2個立ち上げていた。一方で図面全体を 選択して編集コピー。もうひとつの図面に行って編集貼り付け。これでブロック挿入となる。そのブロックを移動で位置合わせ、尺度変換でスケール調整。最後回転で位置微調整。これだけの作業が必要だった。LT98でも外部参照はできた。早く気付けばよかったと思う。
 土木測量設計では公共座標を利用する。両者をこの座標系でCAD展開していると、アタッチの原点位置を0、0にすると、ぴたりと一致するはずだ。中部地区は公共座標第7系であるが、つまり両者第7系の座標原点を参照位置としていることになる。単位m、測量座標のXをCADのY、測量座標のYをCADのXとして読み替えCAD展開しておくことが前提だ。 CALSの時代、こんな対応の工夫も必要だろう。公共座標は桁の多い座標値で作業が煩雑と思うかもしれないが、作業はユーザー座標を任意に設定して快適に行える。 AoutoCADはグローバル座標とユーザー座標を持っている。ここが世界NO.1のCADの理由の一つだろう。初期設定ではグローバル座標=ユーザー座標となっている

 

アタッチ or 上書  バインド
 

 挿入の時の「上書き」は、すでにある外部参照を別ファイルで置き換えるといった意味。少しの修正は再ロードで最新の状態になる。「上書き」はファイル名まで変えたバージョンアップといったところうだろう。

 外部参照バインドすると、図面内に取り込まれたブロックになる。その場合、個別挿入があるが、画層の処理の違いによる。詳細はヘルプで確認してください。

  外部参照からブロックを簡単に作れる。これは便利だ。ブロックは部品のように同じパタンを複製する時にコピーして利用する。図面内に沢山の同一ブロックが存在することになる。全部消していくと、そのブロック名も削除できる。
 全部消したはずなのに、ブロック名が削除できない。こんな経験はないだろうか。 あるブロック内に別のブロックを使うこともある。この場合、利用されているブロックがあると、そのブロック自身を削除は出来ない。
 こんなブロックの使い方はしていないのに。それでも登録から抹消できないブロックがある。こんな経験をした。

 ひとつでも図面内にブロックがあると、挿入ブロックでリストアップされる。 別途原本がどこかに保存されている訳ではない。モデル空間は全部点検 して削除した。待てよ!ペーパー空間はどうだろう。
 便利なブロック。ペーパー空間にひとつ配置していたようだ。ズームオブジェクト範囲を利用すると、空間内の全オブジェクトを見渡せる。えらく広大な範囲の隅にブロックがひとつ存在していた。これを削除して問題は解決した。

 外部参照ブロック。その特徴を活かした使い方がCADスキルと言えよう。

2004.1.5
by Kon