AutoCADの図面ファイルはDWG。バイナリーファイルだ。図面データー 交換用にDXFがある。テキストファイル。DXFはCAD業界の標準フォーマット といえる。最近のインターネット環境に対応してDWFファイルが登場した。 ブラウザで閲覧する目的のため開発された。AutoCADLTでは97からDWFファイル の出力をサポートした。DWFとは何だろう? |
DWFとは、AutoCADで作成されたCADデータを、
ブラウザで表示するフォーマット。 ベクトルデータであるCADの図面詳細をズームして確認できる。AutoDesk社が開発した形式。 CAD図面をインターネットで公開する場合、GIFやJEPGで張り付ける方法が ある。縮小画像ならいいのだか、実寸まで拡大した画像は、JPGといえども ネットに流せるファイルサイズではない。ベクトルデータの特徴を十分生かし、 CADの図面詳細までズーム確認できる仕様は、さすがAutoDesk社開発の形式である。 絵、画像をパソコンで処理する場合、ビットマップとベクトルの二つの 方法がある。パソコンの誕生の頃、能力の小さな環境で処理するため二つの方法は洗練されていった。写真はビットマップでしか 処理できないのでネット公開のためにGIFが生まれJEPGが作られた。 一方、CAD図面は元々鉛筆書きのデータであり、どれだけ長い線でも 両端2点で表現できる。CADはベクトル方式で進化してきた。 CADを扱う私達は、図面データを圧縮してメールに添付して 交換している。両者がCADソフトを所有していれば不都合はない。 図面を書かないが、見だけの人が増えた場合インターネットで公開する 仕様が生まれなければならない。とりあえずGIFやJEPGを利用するとしても、 ベクトルデータをビットマップにしては非効率は明らかだ。インターネットで 最近PDFが定着したが、PDFも所詮ビットマップである。 インターネットで音を流す場合を考えてみよう。WAVEとMIDIがある。 WAVEはビットマップ、MIDIがベクトルに対応する。MIDIは譜面記号を 送るのでデーターは軽い。だが受け取った側で再生するソフトを用意 しなければならない。そのためにブラウザに追加するプラグインを ダウンロウドしている。図面の場合も同じである。DWFをブラウザ で表示させるプラグインが、WHIP!である。 このWHIP!は、AutoCAD LT97から標準で製品CDに添付されている。ネットで無料配布されている。 インターネットで図面が見れる。しかもCADベクトルデータの特徴 を十分生かし拡大縮小がスムースに出来る。無料プラグインで誰でも 見れる。生まれなければならないものが、また一つネットで誕生した。 その図面の一部にリンクが貼れる。このことを確認してDWFを利用し始めた。 地図に情報を関連させる。これはGISなのだが、万人が利用できる ブラウザで展開しなければならない。やっとプラットホームが出来た と思った。 |
AutoCAD LT98の場合、書き出しでDXFかDWFの選択をするスタイルだった。
LT2002ではすこし様子が違う。使ってみた。 「ぽちの家」の図面をDWFで公開することにしよう。実は僕には愛犬がいない。 リンク先は当社のCADページとしました。DWFはデーター の軽さが命。まず、余分な作図補助線などは消しておく必要がある。設計変更を迅速対処するためオリジナルDWG には色々な仕掛けがある。しかし、印刷物として配布するなら、 設計作業は終了している。作業用データーは切り落としてしまおう。「リアル空間」 からどんなアングルでも平面展開できる。そんな仕掛けのデーターも 切り落とす。「ペーパー空間」データー、つまりレイアウトを出力する。 と言っても、 切り落としはAutoCAD LTでしてくれる。 この当たりは、AutoCAD LTで「ペーパー空間」を活用した人 には理解できるだろう。 AutoCAD LT2002は、印刷を紙ではなくDWFファイルに出力すると考える。 レイアウトをアクティブにしてファイル>印刷>DWFeViewと選択する。 普通CanonとかEpsonのプリンターを選択するが、DWFeViewを選択 しOKをクリックすればDWFがファイル出力される。至極簡単。 これをでページに書き添える。下の画像のHTMLはこのようなものだ。 <EMBED SRC="***.dwf" width="***" height="***" userinterface="off"> JEPGとPDFとの比較をして見た。ファイルサイズは元の1/10になる。JEPEGは4倍程のサイズでないと見るに耐えない。PDFは元のDWGと同じ程度。ベクトルデータの特徴を十分生かしたDWFの勝利は明白だ。 |
上の枠が真っ白の場合はDWFのプラグインがインストールされていません。
最新のダウンロウド先は下記です。無料です。インストールをお勧めします。 DWFビユワーはAutoCADソフトなしでAutoCAD図面を見るツール。 図面の修正はできませんが、ほとんどAutoCADと同じように拡大、縮小、画層の 表示/非表示の操作ができます。 画面上で右クリックすると、画面移動、ズーム、印刷、保存に関するオプションが入っているポップアップ メニューが表示されます。 [画面移動]をクリックすると手のマークが出ます。マウスの操作で見たい場所にします。右クリックすると小さなポップアップ メニューが表示されます。ズームをクリック すると虫眼鏡のマークになります。マウスを上下で拡大縮小ができます。これはAutoCADソフトの操作方法と同じです。 キャンセルして元に戻り 右クリックして、[画層]を選択すれば、画層のダイアログが現れ電球アイコンをクリックすると、画層のオン (表示)またはオフ (非表示) ができます。 [白黒]でモノクロにできます。ページ設定をして印刷も出来ます。[保存]でDWF ファイルをパソコンに保存できます。後からそのファイルを見ることができます。 ハードディスクのファイルを ダブルクリックでブラウザ一杯のサイズで図面が開くでしょう。インターネットエクス プローラーがCADソフトに変身したような感じです。 この閲覧ソフトは、当初WHIP! プラグインでしたが現在はAutodesk Express Viewerに進化しています。 Autodesk社提供Autodesk Express Viewer サイト。 |
最近、電子納品が一般化してきた。仕事で作った報告書や図面をCDに焼いて収める。この場合、HTMLの一覧表を作りDWFをリンクしておく。プラグインWHIP!
も添付しておくことにしている。 一度書いた図面を繰り返し活用できる。これがCADのメリットでもある。だが、どこにどんな図面があるか分らない。それでは資産と言えない。このDWFは、CAD図面一覧表に大きな効果をもたらす。 長く継続していけば、その効果はもっとはっきりしてくるはずだ。過去に遡り、自社作成CADのDWF一覧を作ろうと思う。 2003年9月のZDNet/USAは「PDFフォーマットが、ライバルからの批判にさらされている」と報じている。Autodeskは最近、積極的な広告キャンペーンを開始し、文書の共有にPDFではなく、DWFを使うよう顧客に促しているという。 さらに、Macromediaは文書を容易にWebページに統合したり、印刷できる新コンポーネント「FlashPaper」を導入。これは、広く使われている同社のアニメーションフォーマット「Flash」をベースにしている。「Flash」の動画はベクトルデーターで有名である。 「大事なのは、印刷とオンライン情報を区別することだ。PDFを印刷用の情報の配信に使うことにはまったく問題はない。問題は、PDFが文書の印刷のために作られたものだという点にある。情報をパッケージする方法がページ指向的なのだ。PDFが、コンピュータの画面向けに最適化されることはないだろう」とむすんでいる。 David Becker, ZDNet/USA http://zdnet.com.com/2100-1103_2-5078712.html |
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