川と鉄橋
庄内川鉄橋を名鉄電車が渡るとすぐ犬山線と岐阜方面の本線に分岐する。
「ガタンガタンガタン」と電車の音が,一日中この町にこだまする。
鉄橋の下流には県道名古屋岐阜線の
橋がある。この橋の向こうは名古屋市。
二つの橋のまんなかに、かって中島があり大橋、小橋の木橋があった。名古屋城下から
尾張平野を斜めに北上する街道、美濃路の枇杷島橋である。尾張平野は野菜の生産地。
名古屋の町のために市場がこの橋のたもとにあつた。下小田井の市とよばれた。
堤防脇のポケットパ−ク。
かっての道標 も保存されている。
道標の銘文
北、いわくら道
西、つしまてんわお道
江戸の昔から、この地は交通の要衝であったことに変りはない。
明治19年東海道線が開通し, 明治39年枇杷島駅が開設された。
街道筋に鉄橋が架かった。
祭の日、煉瓦造りの橋台の下
に電灯を点した露店が開く。
僕はその裸電球の景色がとても好きだ。
その横を新幹線も高架で通過する。新幹線は駅もなく
乗客はこの町の中央を必ず横切っていくのだが、
誰も気に留めはしない。だが、この町が一番賑わった面影は、
毎年山車が引き出される西枇杷島祭を眺めると知ることができる。
2001.6.3
by Kon